東金甚句

明治半ば頃から昭和の時代まで、東金の花柳界には地域の魅力を唄った幾つもの流行歌がありました。今ではなかなか耳にする機会もありませんが、たまに紐解いてみると風情があっていいものです。時々イロっぽいのもご愛嬌ということで。

東金甚句

一、鴇か峰から七裏七里、昇る朝日に法の聲

二、ぬれた仲なら和泉が池の、深い情けは底知れず

三、吹けよ春風八鶴湖畔、かわす袂に花が散る

四、えいや聲して引き出す初荷、東上総の黄金町

五、願ひ叶ふて山王様へ、赤い手柄で礼詣り

六、港白めば御殿のやまで、カワイカワイと啼く烏

七、街道通るは大名ヂャないか、あれは茂右衛門嫁御寮

八、鴇が峯とはその名もゆかし、酒井小太郎の城の跡

九、御殿山では烏が啼くが、お成街道ヂャ鳩が啼く

十、忘れシャンスナ東金道を、西ニャ三本杉御殿山

十一、見まショ見せまショ八鶴湖畔、映る夜櫻おぼろ月

十二、東金名物数かずあれど、主へ土産は玉の肌

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